
発売日 : 2022/08/24
ポスト・メタルの先駆者にして最終形態
苦境を好機に変換し、固い意思で作り上げた最新作!
■ポスト・メタルの筆頭にして最終形態、商業的にもトップ・クラスの実績を誇るRUSSIAN CIRCLES。これまでコンスタントに7枚のアルバムをリリース。インスト・バンドながらコンパクト且つ起承転結が明確な楽曲構成と耳に馴染み易いメロディを持ち合わせており、キャッチーな代表曲も数多い。弦楽器の2人がルーパーや多くのエフェクト・ペダルとサンプリングを駆使することでトリオ編成とは思えないブ厚いレイヤー・サウンドを聴かせ、屈強かつグルーヴィなドラムが楽曲を引っ張る。そんな彼らの3年振り8作目となる最新作が完成した。
■他のアーティストと同様、RUSSIAN CIRCLESはこの2年以上に渡りコロナ禍に翻弄された。日本でも感染症の懸念が高まり数多くの来日公演が中止になった2020年2月末に6年振りに再来日し、4本のライヴで鉄壁のアンサンブルを見せた。以降は全てのワールド・ツアーを中止/延期、2021年秋にSYSTEM OF A DOWN/KORNとのスタジアム・ツアーに招かれる大きなチャンスを得るものの、ツアー中に全機材が盗難被害に遭ってしまったのだ。
■本作はその盗難事件の直前にトラッキングを終わらせていたことが幸いした。ここ数作同様にカート・バルー(コンヴァージ)がレコーディングを手掛け、バンドの地元シカゴにあるスティーヴ・アルビニ所有のエレクトリカル・オーディオ・スタジオにてベーシック・トラックを録音、オーヴァー・ダブとミックスはカート運営のゴッドシティにて行う戦略で行った。
■基本的には前作『Blood Year』(2019)の流れを踏襲しているが、作曲過程はこれまでと大きく異なった。通常は各メンバーがラフなアイデアを持ち寄りスタジオにて3人で緻密に組み上げていくやり方を続けていたものの、先述のコロナ禍にあって全員が集合することが難しかったため、各人で曲の骨格をデモとして組み上げリモートで制作していったという。逆にそのプロセスで自分達の得意な部分と良さを見つめ直せ、原点に立ち戻りつつ最もアップデイトしたものを作り上げることに成功した。
■ヘヴィなリフを強調、ダークな世界観を追求しながらプログレッシヴさとリリカルさも同居させる手腕とアイデア。ブ厚いサウンドとプロダクションは、数々の苦境を自らの手で好機に変換した凄みに溢れている。収録曲
1.Tupilak
2.Conduit
3.Gnosis
4.Vlastimil
5.? Braon?in
6.Betrayal
7.Bloom